FoLoLab vol.3
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2014年に台湾に出店して4年半が経ちますが、きっかけは実はすごく単純で、旅行でシンガポールに行ったときのトランジットが一泊で台湾だったこと。そのとき初めて台湾の街中を歩いたのですが、これだけ日本料理が浸透していて居酒屋もありますが、九州の料理を謳っているお店はありませんでした。そこで宮崎料理の居酒屋をやってみるのも面白いかなって。どうして海外出店なんてしようと思ったのだろうと、何回も後悔したぐらい大変なこともありました。やっぱり文化も法律も違いますし、手続きとか、いつまで経ってもお店が出来ないとか、仕入れがなかなか決まらないとか、細かいことを言えばたくさんあります。通常はパートナー企業と組むか、オーナー自らが現地に住んでお店を出すことが多いのですが、弊社は独資で台湾支店という形で支店登記をしていきました。その分、パートナー企業からの「何か」というものがないので、最初はネットで探したコンサルタント会社と組んで、物件探しや契約、従業員の雇用、行政関係の手続きなどを一緒にやっていただきました。(開店支援に特化したコンサルで、開店までの6ヶ月間のみという契約で月20〜40万円程度の費用がかかったとのこと)最初に台湾に降り立ったのが12月中旬、物件探しを始めたのが年明け、具体的にコンサルと契約をして動き始めたのが3月、そして5月には物件を契約して、9月にはオープン。海外初出店をそのスピードで出来たのはやっぱりコンサルが居てくれたから。ただ、コンサルは手続きの専門家であって物件探しは専門外。とにかく自分たちで歩いて、地区ごとに潰していくという感じでした。実は台湾には日本のような商業的不動産屋はありません。日本の場合、大手不動産屋が何軒もオーナーさんと組んで物件を管理しているのですごくやりやすいのですが、台湾では全部が個々。例えば、一棟のマンションをどこかが一括管理しているのではなく、一部屋ずつオーナーが違うため、部屋ごとに別々のオーナーと交渉をしなければなりません。そういう意味では現地のパートナー企業と組むことをおすすめしますね。オープンから今まですごく波があっ 5珍しかったのでしょう、すごく繁盛して、実は3回、銀行に撤退の意志を伝えました。最初の一年は近隣に九州の居酒屋がなかったということで、たぶんました。二年目になって売上がだんだん落ちてきて、そのタイミングで駐在員が退社してしまったことで、非常に厳しい状況に。それが1回目。そこで別の駐在員を現地に派遣したのですが、台湾は資本金によって取得できるビザが違っていて、資本金が50万元(日本円で180万円程)だった場合には一人しかビザが出せず、複数人に出すには当時500万元必要だったのですが、当時はその資金がありませんでした。現地で採用した日本人を入れていたのですが、移民局が入ってきて結局雇えなくなってしまって。それが2回目。それから残った一人の日本人スタッフと現地スタッフで切り盛りしていたのですが、売上がどん底まで落ちてしまって、月で200万円減。運営もマネージメントもなかなかうまくいかず、最終的にはずっと赤字続き。それでついにお店を閉めることになりました。それが3回目。ですが物件は解約しておらず、そのまま三ヶ月放置状態が続くことになりました。台湾に出店されていますが、海外進出した理由は?初めての海外出店、やはり大変でしたか?〜海外出店のリアルストーリー〜九州の飲食店にもっと海外進出してほしい。オープン後、台湾のお店の状況はどうでしたか?海外初出店の台湾店「天晴(あっぱれ)」。
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