FoLoLab vol.4
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132423411杜氏 藤本俊司さん「球磨川水系の地下水は硬度50度前後の軟水、年間平均水温が約15度くらいで焼酎造りに適しています。どんなに良い杜氏でも水は造れません。球磨焼酎はこの地で生まれた奇跡の産物だと思います。」■原料米にミネラル豊富な地下水をたっぷりと染込ませ、この後の蒸し工程に備える。■焼酎は「生き物」。その日の気温や気圧によっ1て状態も変化する。その変化を見逃さぬよう何度も何度も温度計をにらむ。■金しろの原酒が入ったシェリー樽。長いものは10年以上寝かせている。シェリー樽、アメリカンホワイト樽、コニャック樽、3種の樽で熟成させた米焼酎をブレンドして出荷する。■減圧蒸留後に原酒ができる。高橋酒造では昭和49年にいち早く減圧蒸留法を取り入れるなど技術革新にも積極的に取り組んでいる。焼酎は機械で造られているのではない、人の手で造っている。そんな当たり前のことを今回の取材で再確認した。収穫した米を磨き上げ、蒸した米に麹菌を付け増やす。増えた麹に酵母と、清流球磨川水系の地下水を加えもろみを造る。そのもろみを減圧蒸留し、原酒が出来る。もちろん機械の力は借りている。しかし、どんな焼酎が出来るかは、人の頭で考え、目で見て、手で触れてなにより造り手の想いで決まるのだと。「焼酎造りで人ができることは、ほんのひとにぎり」今回取材させていただいた高橋酒造の杜氏、藤本さんは言った。決して謙遜ではない。その“ひとにぎり”が焼酎の味を決定づけるのだと確信している。「ナチュラルミネラルウォーター」と評される地下水の尊さ米の偉大さ、酵母のありがたさ。全ての条件に造り手の想いが加わり出来るものこそ1世紀以上の歴史を持つ高橋酒造の、本格米焼酎なのだ。取材協力高橋酒造株式会社本社〒868-8505熊本県人吉市合ノ原町498TEL0966-24-7726(お客様相談室)FAX0966-24-8115
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