FoLoLab Vol.9
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13脱ミート中食人手不足対策シシャモ新業態 ミートフリーの動きは、畜産から食肉処理、流通に至るまで農業・食肉業界のサプライチェーン全体に影響を及ぼしている。動物由来の食材や成分を使わない「ミートレス」。米マクドナルドによる植物肉のハンバーガーの提供から、食材に限らず「アニマルフリー」の素材を使ったファッションまで、様々な業界がこの流れに乗っている。 持ち帰りやデリバリーは消費税増税後、軽減税率が適用されたことで伸びが加速。吉野家やタリーズコーヒーなどの外食業界での営業成績は店内飲食より持ち帰り需要に勢いがある。軽減税率は中食需要も刺激。消費増税以降、飲食店では店内で食事をすると税率は10%だが、持ち帰りや宅配サービスを利用すると税率が8%に据え置かれた。増税後の支出の増加に敏感な消費者が、持ち帰りや宅配サービスへの選別を強めている。 飲食業界では今後、さらなる人手不足やコストの増加が懸念されている。従業員の負担軽減に対して、営業時間の短縮や機械の導入、作業の簡素化が求められる。飲食各社コストの上昇で値上げが必須になるが、客単価が上がるため、顧客離れ対策が必要となる。また、人手が足りないことでサービスの質の低下も懸念される。今後はサービスの質を保ちつつも、いかに効率化を図るかがポイントとなる。 シシャモが姿を消す?―食卓や居酒屋でおなじみのシシャモがピンチだ。北欧産が国内流通の9割以上を占めるが、大産地のノルウェーが10月、資源保護のため2年連続で禁漁とすることを決めた。世界的に需要が拡大する中、国内在庫は半年分しかなく、来春には値上げで最高値となるか、食卓や居酒屋のメニューから消えかねない事態と、業界関係者は気をもんでいる。ピエトロは新業態のスープカフェ店を2020年2月に横浜市で開業する。パンと組み合わせた商品を販売し、健康意識の高い働く女性からの需要を狙う。主力のドレッシング販売が伸び悩むなか、外食市場で新事業を育成する。スープ専門店ではスープストックトーキョー(東京・目黒)が先行するが、パンと合わせて食べる楽しみ方などを打ち出し差異化。第三の事業として注力し、5年をめどに30店舗の出店を目指す。脱ミート革命が急速に広がっている。持ち帰り・宅配需要が拡大。サービスの質を保ちつつ、どう人手不足を解消するかが課題。シシャモが消える?ノルウェーが2年連続禁漁。ビーガンにも対応、ピエトロがスープカフェ店を開業。
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