熊本県民テレビ開局40周年記念映画『人生ドライブ』完成披露上映会

2022.03.24

熊本のまち

KKT熊本県民テレビ開局40周年を記念して製作されたドキュメンタリー映画『人生ドライブ』。5月から東京での公開に先立ち4月29日（金・祝）からは熊本のDenkikanで先行上映されます。熊本県宇土市で7男3女、10人の子どもと暮らす岸さん夫婦。「NNN ドキュメント」で話題となった21年間の取材から生まれた家族の物語です。

熊本のDenkikanで3月22日（火）に行われた完成披露上映会での模様をお届けします。

1 KKT開局40周年記念作品映画『人生ドライブ』20年間取材を続けたTVドキュメンタリーを再編集。
2 岸さんご家族の心の動きが丁寧に描かれる
3 20年バトンを渡しながらたずさわってきた制作陣
4 映画『人生ドライブ』4月29日（金・祝）よりDenkikanにて先行公開

KKT開局40周年記念作品映画『人生ドライブ』20年間取材を続けたTVドキュメンタリーを再編集。

KKT熊本県民テレビ塩野弥千夫社長よりご挨拶。

「KKT開局40周年記念ということでこの映画を作ることになりようやく完成の運びとなりました。2年ほど前にこの40周年を迎えるにあたって様々な番組、イベント、企画を募集しまして、その一つがこの岸さんご一家にスポットをあてた映画です。熊本のテレビ局で本格的に自分たちで映画を作るというのは今回が初めて。映画作りのノウハウがない私たちが完成までこぎ着くことができ、配給を担当していただいた太秦（うずまさ）さん、劇場のDenkikanさん、ご協力いただいたディレクター、制作スタッフのみなさんにあらためて感謝いたします。」

「人はみな自分の人生の主役であり、他人の人生の脇役。この映画は家族の皆さま全員にスポットがあたっています。どの角度から見ても家族が織りなす模様が多面的にからまっている作品に仕上がっています。二度三度、観ることでまた違う魅力の奥深い作品、多くの方に観ていただきたいと思います。」

司会はKKTアナウンサーの本橋馨さん。プレゼンター花束贈呈として村上美香さんより本作出演の岸英治さん、岸信子さんへ。村上美香さん「映画の主演おめでとうございます。英治さんと信子さんの子育て、愛というものが今の時代の方たちを温めてくれる映画、今に必要な映画と思っています。たくさんの方にご覧いただけますように」

そして監督の城戸涼子さんが登壇。「KKTで20年以上休むことなく取材を続けてきたからこそ、今回の映画ができあがったのだと思います。そしてカメラを向ける私たちを受け入れてくださった岸さん家族の皆さまがいらっしゃったからこそ。私自身も身近にいる人たちとの接し方を何度となく見つめ直すきっかけになりました。「映画は観た人のものになる」最近聞いたすごくいい言葉だなと思います。誰に自分を重ねるのか、どの場面に惹かれるのか、観た方が自由に感じて一緒に体感しながら持ち帰ってもらえたら嬉しいです。」

映画化に関しては信子さん「信じられない気持ちでした。ありえないような笑」英治さん「嘘だろうという感じです笑」とお二人とも嬉しい気持ちをにじませていらっしゃいました。

岸さんご家族の心の動きが丁寧に描かれる

岸さん一家、英治さんと信子さん夫婦、10人の子どもたちひとりひとりが丁寧に綴られていて、一瞬の表情が心に残る作品です。人生山あり谷あり、それはどこの家族でもそうでしょうけれどこうやって一つのドキュメンタリーとして見せていただけると家族になっていく過程を感じます。ちょっと楽観的にさえ見えてしまうようなお母さん（信子さん）の困難の切り抜け方、考え方もチャーミングです。成長していく子どもたちの姿は自分の身内や家族と重ね合わせて「そうだよな」「そういう時あるよな」と共感したり、自分だったらどうするだろうと考えさせられる、そんなシーンの連続で岸さん家族の歴史を一緒に経験させてもらうような感覚でした。

20年バトンを渡しながらたずさわってきた制作陣

そしてこの「ドキュメンタリー」に20年関わってこられた制作陣の見えないご苦労にも思いをはせました。個人的に私も雑誌の制作・編集をしてきた立場から、こうやって一つのことを長く続けていくことや次へのバトンを渡していくことなどを考えると大変シンパシーを感じます。膨大な資料や映像（ざっくり480時間ほどあったそうです）をひとつずつ確認し、およそ90分に編集することでさえ想像を超えるくらい大変でしょうが、そこに詰まったたくさんの方々の思いも含めて「作り手」側のことを考えてグッときました。

いつも目にしている熊本の風景がキラキラと映し出されながら、熊本地震のときのこと、いろいろなことが頭をよぎり自分史と重ね合わせながら鑑賞した岸さん一家の「人生ドライブ」。きっとまだまだ続いていくことでしょう。是非、劇場でご覧くださいませ。