創業100年以上の神仏具店が伝える、伝統として残したい「お盆」の文化[盆提灯編]
今年もお盆の時期が近づいてきましたね。
そろそろお盆の準備を始める頃ですが、そもそも「お盆」って何?と聞かれると答えに困る方も多いのではないでしょうか?
昨年は、北九州市小倉北区で創業100年以上の『野上神仏具店』さんに「お盆」についてのお話をお伺いしました。今年はさらに「盆提灯」についてのお話をじっくり語っていただきます。
[参照]創業100年以上の神仏具店が伝える、伝統として残したい「お盆」の文化
盆提灯を飾るのはなぜ?
そもそも「お盆」とは何ぞや?というお話ですが、実は宗派によってお盆の捉え方は異なります。ですが、ざっくり言えば、ご先祖様や故人の精霊がお墓から家に帰ってくる、という捉え方が一般的です。
ご先祖様や故人が迷わずにちゃんと家に帰ってこれるよう、目印として飾るのが『盆提灯』です。
なので、盆提灯はお盆のお供えの中でも特別な意味を持っています。
日本には、初めてお仏壇を迎えた家へ、親戚や故人と親しかった人が盆提灯を贈るという習慣がありました。その数が多ければ多いほど、故人が慕われていた証とされています。しかし、現在は住宅事情などにより、マンションや賃貸に住む方も多いため、スペースを取らない小型の提灯を置くご家庭も増えていますね。
盆提灯と白提灯の違いは?
盆提灯は、お盆にご先祖の霊の道しるべとして家族や親戚が用意して飾りますが、白提灯は、新盆・初盆のときにだけ使われます。
新盆・初盆とは、故人の死後、四十九日の忌明けを過ぎてから迎える初めてのお盆のこと。初めて帰ってくる故人の霊が迷わないように、白提灯を玄関や窓際、仏壇の前などに吊るしておきます。白提灯には「清浄無垢の白で故人を迎える」という意味があり、白木で作られた白紋天の提灯と呼ばれるものが一般的です。
また、盆提灯は一対で飾るのに対し、白提灯は一つだけ飾ります。飾るのは新盆の間だけなので、お盆が終わった後は送り火で燃やしたり、菩提寺に納めるなどして処分します。
盆提灯はいつごろ買えばいい?
盆提灯の購入は、故人の初盆や古くなったものを買い換える場合がほとんどです。
お盆の時期に用いるものなので6月~8月の購入が中心となりますが、入荷の都合を考えると6月中の購入がおすすめです。7月を過ぎると商品によっては品切れになる場合もありますので。盆提灯は毎年飾るものなので、故人への感謝の気持ちを表したものや故人の好きなものをお選びください。また、長く使っていて思い入れのある盆提灯は、貼り替えればまだ使えるものもありますので、お気軽にご相談ください。
盆提灯はいつ飾る?どこに飾る?
一般的には迎え盆の13日から、送り盆翌日の17日まで飾ります。盆提灯は故人を偲ぶ気持ちの表れなので、8月初めから終わりまで飾っても問題はありません。迎え盆13日の夕方に点灯してご先祖様をお迎えし、送り盆の16日も夕方に点灯してご先祖様を見送ります。基本的には夕方から夜に点灯し、昼間でも法要など必要に応じて点灯します。
盆提灯を飾る場所は、精霊棚(盆棚)の前、もしくは仏壇の前に飾るのが基本です。通常一対、二対というように対にして飾りますが、マンションなどの住宅事情によりに二対を置くスペースがない場合は、一つでも構いません。
盆提灯も時代によって色々と変化してきました。昔ながらのものもあるし、住まいのインテリアに合わせたスタイリッシュなデザインの提灯もあります。厳格な決まりはないので、故人の趣味なども考慮しながら、お好きな盆提灯を飾ってください。
盆提灯にはどんな種類があるの?
盆提灯は大きく分けて「吊るすタイプ」と「置くタイプ」の2種類があります。
・吊るすタイプ
・置くタイプ
・番外編
野上神仏具店からひとこと
お盆とは、ご先祖様や故人と会う機会であるとともに、家族や親族と集う場でもあります。故人と生きている人たち、すなわち上下左右の繋がりをあらためて感じさせてくれるのがお盆だと思います。
故人を偲ぶのと同時に、生きている人たちが辛くないように、気持ちのバランスを取りながらお盆を過ごしていただきたいですね。
様々なご家庭の事情に合わせて、最適なお盆の準備をご案内するのが私たちの仕事です。どんな些細なことでも構いませんので、ぜひお気軽にお尋ねください。
【TOPIC】
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野上神仏具店
住/北九州市小倉北区魚町2丁目2-11
☎︎/093-521-1005
営/10:00 ~18:30
休/不定休
HP/http://www.nogami-butsudan.com/