ハリー・ポッター上映20周年!映画には出てこない、小説の裏設定を解説!
今年2021年は、ハリー・ポッターシリーズ第1作目「ハリー・ポッターと賢者の石」の公開から20周年。
J.K.ローリング氏が生み出す魔法の世界は、シリーズが完結して10年経った今もなお、多くの人に愛されています。
今回は、そんなハリー・ポッター作品で、小説だけに書かれている設定や裏話をピックアップしてご紹介していきたいと思います。
これを見れば、今後更にハリー・ポッター作品を楽しめること間違いなしです!
1.ハリー・ポッターが特別なのはなぜ?
ハリー・ポッター(以下ハリー)は魔法界の中で、生まれた時から有名でしたね。ダイアゴン横丁で握手を迫られたり、額の傷を皆が知っていたり。
それはなぜでしょう?
それは、ハリーがヴォルデモートを倒したと思われていたから、です。
ハリーが生まれた時代、魔法界は暗黒期真っ只中でした。それは、闇の魔術の帝王・ヴォルデモートが、魔法界を支配していたからです。しかし、当時のヴォルデモートはあることを恐れていました。「1980年の7月末、闇の帝王に三度抗った両親のもとに産まれる子」が、闇の帝王を倒すかもしれないという予言です。ヴォルデモートはその予言を恐れ、7月末に生まれる子を調べさせ、そして辿り着いたのがハリーでした。
予言を阻止するためハリーを殺そうとしたヴォルデモートでしたが、ハリーの母親・リリーが彼をかばったことで、愛の力により魔法が跳ね返されます。そのとき、自分のかけた魔法を直に浴びたヴォルデモートの一部が、本人も知らないうちに、ハリーに刻まれてしまいました。ハリーにはヴォルデモートの力の一部が存在しているがために、蛇後が話せたり、ヴォルデモートの兄弟杖から選ばれたりしたんですね。
こうして、自らの力により魔力が衰えたヴォルデモートは、一時は人の身体を借りねばならないほど衰弱してしまいます。目に見える姿ではなくなったことで、世間はハリーが闇の帝王を倒したとはやし立てましたが、ハリーとヴォルデモートの闘いはまさにここから始まったのです。
2.ハリーの運命を辿るかもしれなかった人物とは?
前章にて、ヴォルデモートが予言を恐れていたことには言及しましたね。ここで疑問を持ったあなた、鋭いですね。
そう、「7月末に産まれる子って、ハリーだけやったん?」ということです。
ここが面白いところなのですが、7月末に産まれた子は、実は他にもいたんです。
誰だかわかりますか?
ネビル・ロングボトム。そうです、「思い出し玉」や失神で有名な、ちょっと抜けた男の子。彼も実は7月末が誕生日だったので、ヴォルデモートがハリーではなくネビルを「予言の子」と捉えていたら、この物語は大きく変わっていたことでしょう。
では、なぜヴォルデモートはハリーを選んだのか。
はっきりとした根拠は示されていませんが、小説中で憶測されている分には、ハリーが半純血だったため、ヴォルデモートが自らの姿と重ね合わせたのではないか、とのこと。
ネビルは代々魔法使いの一族に生まれた純血だったため、同じ不死鳥の騎士団員でも、ハリーの方を選んだのでしょう。
ハリー・ポッターの世界は奥が深いですね!
3.フィルチはなぜ生徒を憎んでいる?
シリーズ第1作から出てくる城の御用人、アーガス・フィルチ。監視カメラのような付き添い猫のミセス・ノリスを携え、事あるごとに生徒に罰則を浴びせたがります。
物語のサブキャラクターとして欠かせないフィルチですが、なぜ彼が生徒を憎んでいるのか、考えたことがありますか?
実は、フィルチは「スクイブ」だったんです。
スクイブとは、魔法使いの一族の元に生まれたにもかかわらず、魔法が使えない人のこと。親が魔法使いなのに自分は使えないなんて、こんなに屈辱的なことはありません。だからフィルチは、魔法の使える生徒たちを恨み嫌い、必要以上の罰則を与えるんですね。
小説では更に、フィルチが魔法の通信講座を密かに受講していることも描かれています。魔法界に通信講座があることにはびっくりですが、実はまだ魔法使いになりたかったという設定にも驚きです。
4.ハグリッドは魔法使いなの?
シリーズ第1作目から登場し、ハリーを支えてくれる大親友、ハグリッド。普段はホグワーツの裏小屋で、森番として働いています。
シリーズ第2作で明かされたとおり、ハグリッドは元々、ホグワーツの生徒でした。どんなに危険な生き物も放っておけない彼は、その性格を利用され、トム・リドル(昔のヴォルデモート)によって「秘密の部屋の怪物をけしかけ、死人を出した人」のレッテルを貼られ、ホグワーツから追放されてしまいます。(無実を知るダンブルドアだけは、ハグリッドをホグワーツの森番として雇い、城に残すようにしました。)
以降、魔法を使うことを良しとされていないハグリッドですが、実は杖を持っているのではないかということが、小説には書いてあります。
杖の場所、あなたはどこだと思いますか?
そのヒントがあるのは、シリーズ第1作目。ダーズリー一家の元にハグリッドが訪れるシーンです。
ハリーのケーキを貪るダドリーのお尻に、ハグリッドが豚の尻尾を生やすのですが、そこで使われているのはピンクの傘。
小説の醍醐味は、ハリーの心の内が詳細に描かれていることですが、ここでもまさに、傘の先端に杖が使われていることをいぶかしむハリーの心境が綴ってあります。
ちなみに、ハグリッドの初登場シーンにて彼が乗ってきたバイクは、ハリーの名づけ親・シリウスのバイクを借りたものです。
5.ヴォルデモートはなぜマグル(非魔法族)を恨んでいる?
かつてのヴォルデモート、トム・リドルが属していたスリザリンが、純血を好む寮として有名なのはご存じですね。一族が魔法使いであることに誇りをもち、それ以外の者は排除されて然るべき、という考えを持っています。
しかし、当のトム・リドルは純血ではありませんでした。父はマグルで、母は魔法使いの半純血なんです。彼のこの生い立ちにこそ、表題の答えがあります。
トム・リドルの母は、サラザール・スリザリンの末裔の魔女でした。彼女はマグルの父と結婚し、トム・リドルを身ごもることとなるのですが、彼はトム・リドルが生まれる前に、母が魔女と言うことを理由に2人を捨て、去っていきました。母も亡くなり孤児院に預けられることとなったトムは、ホグワーツに入学した後も、自分を捨てた父親を恨み続けます。
汚らわしいマグルの姓を名乗り続けることに苦痛を感じたトム・リドルは、「ヴォルデモート卿」と自ら名付け、ホグワーツ在学中は親しい人に、卒業後は完全にヴォルデモート卿を名乗るようになったのです。(「ヴォルデモート」という名前の由来はご存じですか?ピンと来ない方は是非、「ハリーポッターと秘密の部屋」をご覧ください!)
さて、ここまでハリー・ポッターの裏話、いかがでしたか?
小説の分厚さをご覧いただければわかる通り、映画に出てこないシーンが実は山のようにあるんです。私個人的な見解で言うと、小説の内容が映像として反映されているのは、3割以下ではないかと思います。
20周年を機に、一度すべての映画を見てしまった方も、小説を読んで新しい発見をしてはいかがでしょうか