【インタビュー】笑顔創造人が手掛ける“北九州スカイランタンフェスティバル”
昨年から続くコロナ禍で、北九州でも多くのイベントが中止・延期を余儀なくされてきました。
そんな中、一般社団法人ベースメント北九州の伊﨑さんが、満を持して『北九州スカイランタンフェスティバル』の開催を決定!
「北九州ラーメン王座選手権」や「小倉城竹あかり」など、地域と一体となったイベントを数多く手がけてきた伊﨑さんに、さっそくお話を伺ってみました。イベント作りに関する思いやこだわりなど、私たちナッセにとってもタメになるお話も聞くことができ、とても楽しいインタビューになりました。
ランタンの灯りに魅せられて −9年越しの思い −
北九州でスカイランタンフェスティバルをやろうと思ったきっかけは何ですか?
実はこのシーンは、タイのコムローイ祭の「スカイランタン」をモデルにしているんですよね。コムロイと呼ばれるランタンを空に放ち、ブッダに感謝の祈りを捧げるという、タイでは一般的なお祭りだそうです。
このスカイランタンを間近で見ることができたらいいなあと思ったのがきっかけですね。今から9年くらい前になります。
開催までなぜ9年もかかったのですか?
まずスカイランタンがどんなものかを知るために、タイの輸入品を扱っている友人に現物を買ってきてもらい、実際に火をつけてました。そうしたら思った以上に炎が上がるんですね。それで調べたら、タイでは祭りの翌日にランタンの燃えカスを回収する人がいるくらい、至るところに残骸が散乱するそうです。また、住宅や森に落下して火災を起こすケースも頻発しているとか。
なので、北九州どころか日本でランタンを飛ばすのは無理だなと諦めていたんですよ。その間にラーメン王座選手権とかキャンドルナイトとか、いろいろなイベントを手掛けることになって…いつかやりたいなという気持ちはずっとありました。
そんな中、神戸の会社が LEDを使った安全なスカイランタンを開発、意匠権を取得したんです。このLEDスカイランタンなら火を使わないし、糸をつけて空に浮かべた後の完全回収が可能ということで、ようやくスタート地点に立てたんですね。
それでやっと開催を決めたんですが、コロナ禍で延期→開催予定→延期とのびのびになってしまい、9月末なら何とか開催できるだろうと(笑)。
開催場所を小倉に決めた理由はなんですか?
これが実現できれば、どんなに綺麗だろうと思います。でも関門海峡は国際航路なので難しいでしょうね。
それでもLEDスカイランタンを使えば門司港でも開催できるかと思っていたのですが、コロナ禍で門司港でのイベント開催自体が中止になりました。
それなら、ちょうど9月に小倉で開催予定の「勝山ガーデンシネマ」の会場である勝山公園が半分空いているので、そこを使おうということになったんです。
開放的で雰囲気も申し分ない。小倉の街中にスカイランタンを飛ばすのも面白いですよね。
どんなイベントになると思いますか?
僕が前に体験したスカイランタンイベントでは、300基飛ばしたんですね。
初めてのイベントなので、勝山公園で飛ばすとどんな雰囲気になるのか全然予想がつきません。
とりあえず今回は100基飛ばしてみて、3年後くらいに1,000基飛ばせるようなイベントになればいいかと思い、SNSで100基と告知したら思いの外みなさんの反応がよくて(笑)。100基じゃ足らないなということで、今のところ200基が販売予定数です。
また、もともとは無病息災を願う行事なので、願い事を書いた短冊をランタンに貼って飛ばそうと思います。だいたい17時30分くらいまでに参加者全員がランタンを飛ばす準備を終えて、18時に一斉に飛ばす予定です。
今回は初開催なのでガーデンシネマと共催のような形になっていますが、スカイランタン単体でも開催できるイベントだと思います。それには最低でも300〜500基が必要。参加者の思い出に残るような幻想的な雰囲気をトータルで作らなければならないからです。まだそこまでかけれる予算はないのですが、3年後は1,000基飛ばせるようにしたいですね。
北九州スカイランタンフェスティバルの概要
夜空に舞い上がる灯りに願いをのせて…勝山公園を200個のランタンが美しく彩る。
「勝山ガーデンシネマ」も同時開催!グルメやナイトマーケットなどコンテンツも盛りだくさん!
地元で様々なイベントを手がけるということ
どこでどういうイベントを行うか、どうやって決めているのですか?
例えば、はしご酒のような“街単位のイベント”は1つの地域に2つもいらないんですよ。1つの街イベントを地域の皆さんと一緒に上手に育てていけばいいんです。小さなキャパで同じようなイベントがいくつもあると、お互いに食い合うような形になって最終的に被害を被るのは参加店だし、地域の皆さんも混乱して良い結果にはなりません。博多のような大都市なら別ですが。また、ラーメン王座選手権を門司港で開催し、半年後に他の区で開催したとしたら、うまくいかないと思います。あのイベントは市単位なので、参加者からみたら、門司港も他の区も“同じ北九州市”なんですね。
イベントを行う際は、そのイベントの地域的なキャパと参加店・参加者のことを最初に考えた方がよいと思います。
イベントを開催するときに気をつけていることはなんですか?
ステージで音楽もやりますよとかですね。じゃあ、その“ナッセ祭”の一番の魅力って何でしょう?とりあえずグルメや雑貨集めてライブをやるというようなイベントって、“ナッセ祭”でなくてもいいですよね。
だから僕は、ランタンだったり、ラーメンや唐揚げだったり、映画であったり、キャンドルであったりと、必ず「主軸」を作ります。主軸があってプラスアルファでフードやドリンク、雑貨があるという形にしているんです。軸があるとぶれないんですよ。
また、ラーメンのイベントとガーデンシネマのイベントで、もし仮にどちらにも同じお店が出店するとしたら、雰囲気は変えないといけません。イベントの趣旨についてみんながきちんと考えないと成熟したイベントはできないんです。商品を売るために目立たそうと派手に飾るお店がありますが、自分のお店だけ目立ってもイベント全体と見た場合、良い結果になるとは思えません。
主催者側が、イベントを成功させる方向へ出店者たちを引っ張っていかないといけないんです。そこまでが主催者の役割だと思っています。
伊﨑さんが地元で様々なイベントを手がける理由はなんですか?
理由は単純で、“僕が楽しいから“やってます(笑)やっている人間が“楽しい”って思うイベントじゃないと、人は集まりませんよね。
仕事感覚でやっているとどうしても面白さから離れてしまう気がします。
ガーデンシネマも思いつきでスタートしたんですが、行政の担当者に「何人くらい集客できるか」と聞かれて、とりあえず「100人集まればいいですね」って答えたんですよ。でも当日は100人以上集まりました。局長さんも来てくださって「本当に100人集まるってすごい」と喜んでいただきました。
主催側が「絶対にこれが面白い!」というイベントであれば、人は集まってくると思います。だって僕自身がやってて楽しいんですから。
伊﨑さんが手がけてきた主なイベントのご紹介
関門海峡キャンドルナイト
詳細はHPにてご確認ください→コチラ。
勝山ガーデンシネマ
詳細はHPにてご確認ください→コチラ。
北九州からあげ王座決定戦
2020年、2021年はコロナ禍のため中止。来年度開催予定です。
詳細はHPにてご確認ください→コチラ。
北九州ラーメン王座選手権
昨年はコロナ禍で中止になりましたが、次回は2022年3月3周目に開催予定。
詳細はHPにてご確認ください→コチラ。
OCEAN’s761
今後に期待。
まとめ
ランタンフェスにかける思いをはじめ、今まで関わってこられたイベントに対する姿勢や地域の現状、これから北九州市にどうなってもらいたいかなど、かなり深いところまでお話をお伺いすることができました。弊社が現在関わっているイベントについても的確な助言をいただき、本当にお会いできてよかったです。
最後に「伊﨑さんの本業はなんですか?」とお尋ねしたところ、しばらく考えて「本業はなんでしょうね。カメラマンもデザイナーもやってきましたし。じゃあそれが本業というとちょっと違うかなと。“遊びが仕事で、仕事が遊び”っていうのが本業でしょうかね。」とおっしゃっていたのが印象に残りました。
そんな伊﨑さんの名刺には「笑顔創造人」という肩書きが記されています。これからも地域の人や企業を結ぶイベントを通じて、たくさんの笑顔を創造していただきたいと思います。