六代つなげてきた丹精込めたみかんづくり。不知火の地に広がるロマンの里しらぬひ『俊光園』。

熊本

熊本のまち

宇城市不知火町(しらぬひまち)は美しい山々と青い海、そして伝統文化が調和した土地。この地に明治33年より開園し現在六代目、広大で豊かな土地を大切に守りながらみかんづくりを行う果樹園『俊光園(しゅんこうえん)』さんを取材しました。
 
 

柑橘栽培で有名な場所、宇城市不知火町。

 
宇城市不知火町は、熊本市と八代市のほぼ中間に位置します。宇土半島の基幹部にあたり全般的に丘陵によって形づくられ南北に長く起伏に富んでいます。南は不知火海に面し、遠くは天草の島々を望むことができる眺めの良い温暖の地です。
 
この地は古くから柑橘栽培が盛んで、その土地の名を冠する『不知火』は熊本県を代表する柑橘の一つで「清見」と「ポンカン」の交配により作られた品種です。果実たっぷりで濃い甘さ、ヘタの部分がポコっと出ていて可愛らしい形も特徴です。
 

自然が育む広大な土地、みかんたちがのびのびと美味しく育つ。

温暖な気候と南向きの不知火海の潮風があたる場所、俊光園さんのこの広大な土地は柑橘類を育てるのに最も適した恵まれた園地。その環境を最大限に生かしながら、代々守り続けてた土地づくり、そして減農栽培や酵素・にがりを取り入れながら柑橘のプロフェッショナルとして丹精込めた。技術の進化と共に機械化を進めながらも取り組む思いや姿勢は受け継いでいます。

 

あえて手間をかけたこだわりの高畝(たかうね)。

何気なく見過ごしてしまいがちなのですが、俊光園さんのみかんの木の根元は少し盛り上がっています。平らな方が作業はしやすいとのことなのですがあえてこのように耕土を高く盛り、その上にみかんの木を植えています。これは代々伝わってきた俊光園さんのこだわりです。
 
斜面にあるのですが、それだけじゃない。だいぶ盛り上がっています。
 
土づくりも自ら行う。手間を惜しまないことが美味しいみかんへとつながる。
 
柑橘類を栽培する土地は水はけの良さがとても大事なのだそう。それは根に大きく影響を与えてみかんが元気に育ちます。斜面にみかん畑をよく見るのはそういうことなのですね。
 

選別から梱包の様子を見学。

たくさんのみかんたちが出荷を待つ大きな選果場。
 
ダンボールを組み立てる専用の機械。大量にダンボールを作る作業もこれでもだいぶ効率が上がるとのこと。
 
たくさんのみかんがローラーの上を転がり・・・
 
磨かれてつやつやっと輝きが出てきます!
 
この穴が面白いんです。小さな穴 →   徐々に大きな穴 へと流れていきまして・・・
 
おお!コロコロと穴から落ちながら選別されていきます。
 
同じ大きさのみかんがダンボールへと入る仕組みです。見てるの楽しい!
 

外国の技能実習生の方の受け入れも始まった当時から取り組む。

俊光園さんは受け入れが始まった20年以上前から外国の方の技能実習生を受け入れています。お仕事されている様子を見学しましたが皆さんとても一生懸命です。現在はインドネシア、ベトナムから来られていて実践を通して技術を習得し、自国に農業を伝えたいと夢を語っていらっしゃいました。表情から楽しく仕事されている様子がうかがえます。

 

技術の伝承だけでなく日本での生活を楽しんでもらいたいと地元のお祭りに連れ出すこともあるのだそう。みかんづくりを通して文化交流がなされているんですね。

 

俊光園さん曰く「体が資本なのでちゃんと食事をとっているか、我慢していないかなど気にしていますね」

 

自ら野菜づくりにも挑戦中。

 

実習生同士とても和気あいあい楽しそうです。受け入れる側としては巣立って行かれるときはさびしいですよね、とおたずねすると「そうですね。長くいた人との別れはやっぱりさびしいね」いつも家族のように接してきた正直な気持ちなのだろうと感じます。

 

夏まつりの様子「ランナウェイ」を唄っています笑。めちゃくちゃ盛り上がったらしい。

これからはぶどうの季節、豊かに実る果実を楽しみに。

この日はちょうどぶどう(シャインマスカット)の「花切り」作業をされているということでハウスを見学させてもらいました。

 

ひとつひとつ手作業です。
 
これがぶどうの赤ちゃん(と呼びたい)。小さな一つのつぼみが花となり果実となります。とっても小さいこれど、すでにマスカット感があります。
 
「花切り」はこれから成長するぶどうの房をコントロールする大切な作業。あえて花を切り落とし、専用のハサミでサイズを測りながら原型を作っていきます。
 
静かな空間の中の丁寧なお仕事です。これが美味しいひと房のぶどうになるのかと思うと愛しい気持ちです。
 

生産物から加工品まで。無駄のない販売ができるよう6次産業を目指す。

今後のことをおたずねすると、今までの伝統をつなぎながら農産物の加工、販売、新たな市場開拓に取り組みたいとのこと。俊光園ブランドの更なる強化、そして何よりお客さんに喜んでもらえる商品づくりを目指されるのだそう。新しい商品が楽しみですね。
 

 

俊光園オンラインストアがオープンしました。

 

今までは「ホームページで買えますか」と聞かれたり、TELやFAXでの注文を受けていらっしゃいましたが、遠くに離れた方でも俊光園のみかん・ぶどうを購入することができるようオンラインストアがオープンいたしました。またサイト内のインスタではお知らせや日々の農園の様子がアップされていますのでそちらもご覧くださいませ。

企業・店舗情報

 
農業生産法人 有限会社 俊光園
熊本県宇城市不知火町長崎3028
TEL・FAX 0964-33-7200
E-mail syunkouen@spice.ocn.ne.jp
俊光園オンラインストア
https://syunkouen.base.ec

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